どうも。グラフィックデザイナーのケンスです。
デザイナーの皆さんはデザインの最新情報やトレンドをどのようにチェックしていますか?最近ではネットで検索して情報をキャッチすることが多いと思いますが、僕のおすすめは「雑誌」です。
ネット全盛の時代に雑誌を手にすることは減ってきたのかもしれません。ですが、まだまだ雑誌の情報量や専門知識は得ることが多く、すべてのデザイナーに役立つはずです。
雑誌ごとのテーマや特色があって学びがありますし、旬の情報も得ることができます。また出版社が刊行しているので情報の信頼度が高いというのも雑誌推しのひとつのポイント。
あと雑誌そのもののデザインが参考になったりもします。デザイン雑誌だけあって、デザインにこだわっている雑誌が多いですからね。特にエディトリアルデザイナーにとってはすべてが参考になるのでは。
ということで、今回はデザイナーならチェックしておきたいおすすめのデザイン雑誌をご紹介します。
CONTENTS
デザインノート
誠文堂新光社から隔月出版されている雑誌で、トップアートディレクターの仕事術やサクセスストーリーを紹介した特集でデザイナーのハートを鷲掴みにした雑誌。
デザインノートのおかげでアートディレクターという職種の認知やあこがれが広がったんじゃないかなと。この雑誌が出る以前はそのような切り口はなかったですからね。
そのほかにもタイポグラフィ、ロゴマーク、色づかいのテクニック、ブランディングやデザイン思考についてなど幅広いテーマで組んだ特集は読み応えあり。現役デザイナーによっていい刺激になる1冊です。
MdN(エム・ディ・エヌ) ※2019年3月で休刊
エムディエヌコーポレーションが刊行していたデザイン専門誌「MdN」(エム・ディ・エヌ)。
なんですが……残念ながら2019年3月で休刊になっています。じゃあ紹介すんなよって話なんですが、このMdNはちょっと外せないんじゃないかということでいれちゃいました。
1989年の創刊以来、約30年近くデザイン業界の最新情報やデザインノウハウを伝え続けてくれた雑誌です。ベテランデザイナーにとってはとても身近な雑誌だったんじゃないでしょうか。実用的なデザイン表現のハウツー情報が満載で困ったときに開くとヒントを与えてくれる便利な雑誌でしたね。
2013年の大幅リニューアル後はデザインという視点から個性的な特集を打ち出していて、さらに読者層を広げていたように思います。
現在はWebメディアとして展開しているのでチェックしてみてください。
デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
+Designing(プラス・デザイニング)
マイナビ出版が刊行しているデザイン誌「+Designing」(プラス・デザイニング)。Creativity(創造性)とProductivity(生産性)という2つの側面から現場で活躍するデザイナーに役立つ情報を提供しています。
年2回の刊行なので雑誌というよりムックという感じですが、情報量はしっかりあります。この本もMdNと同じく実用的な内容が多いので実際のデザイン業務にかなり役立ちますね。
レイアウト、文字、配色など現場で使えるデザインテクニックをわかりやすく解説してくれる1冊です。
デザインのひきだし
グラフィック社が刊行している、デザインや印刷加工の実践情報誌「デザインのひきだし」。プロなら知っておきたいデザイン・印刷・紙・加工についての情報が盛りだくさんの雑誌で、年3回の刊行です。
デザインのひきだしというタイトルですが、メインは印刷や紙・加工の特集が多いです。この本はなんといっても装丁がすごい。
特集テーマを自ら実践したような装丁が特徴で、毎回めちゃめちゃこだわっています。めずらしい紙や特殊印刷・加工のオンパレード。こんなにゴリゴリ加工の本は普通見かけないですね。
内容もさることながら、存在そのものが印刷・加工の良いサンプルになる本です。グラフィックデザインを最終的にどういう形でアウトプットするか、という視点で刺激を受ける良書です。
アイデア
誠文堂新光社が刊行しているクリエイターのための世界のグラフィックデザイン誌「アイデア」。副題は「international graphic art and typography」。
1953年創刊、現在は年4回刊行の歴史ある超定番のデザイン誌です。デザイナーであれば1度は読んだことがあるでしょう。デザイナーになりたての初心者から見るとちょっと敷居の高い雑誌のように感じてしまいますが、毎回深い内容で読んで損はありません。
主にグラフィックデザインとタイポグラフィを扱っていて、1つ1つの号があたかも作品集かのようなクオリティ。雑誌ですが長く読むことができます。また雑誌自体のデザインも凝っているのでただ眺めているだけでも参考になる本です。
ブレーン
株式会社宣伝会議が刊行しているクリエイティブ情報誌「ブレーン」。1961年創刊の広告・クリエイティブの専門誌で、デザイン系雑誌ではもはや珍しくなってしまった月刊誌です。
「ブレーン」も歴史ある超定番雑誌のひとつ。グラフィックやWeb、TVCMなどの映像などのクリエイティブ事例が満載の雑誌です。
販売促進・広告周りのクリエイティブ紹介が多く、どちらかというとマーケティングや企画寄りの視点の雑誌なので見た目のデザインの奥にある思考を学ぶことができます。広告系が好きなら必読です。
AXIS(アクシス)
株式会社アクシスが刊行しているグローバルなデザイン情報誌「AXIS」(アクシス)。1981年創刊で、現在は隔月刊で年6回の刊行。
プロダクトデザインを中心に様々な分野のデザインをするどい視点で分析している雑誌です。AXISはなんといっても誌面デザインが美しいと評判です。優れたエディトリアルデザインのサンプルしても評価が高いです。
もうひとつ、AXISといえばこの雑誌のために専用に開発された「AXISフォント」。海外では雑誌専用書体を開発するのは珍しくないですが、日本語書体でとなるとかなり珍しいと思います。というかAXISフォントしかないのでは。
また日本語と英語の二ヶ国語で書かれているバイリンガル誌。これも珍しい。
+81(プラス・エイティーワン)
世界16ヶ国で販売されているワールドワイドな雑誌「+81」(プラス・エイティーワン)。タイトルの「+81」は国際電話などで用いられる番号を表しています。
デザイン・アートを中心にファッション、写真、映像、音楽など様々なクリエイティブシーンを取り上げて、アーティストのインタビューやアートワークを掲載している雑誌です。
+81もAXIS同様、誌面デザインの評価が高いです。どちらかというとAXISよりもブッ飛んでいてかなり攻めたエディトリアルデザインを見ることができます。めちゃめちゃカッコいいです。パラパラめくるだけでも刺激を受ける雑誌です。
日経デザイン
株式会社日経BPマーケティングが刊行しているデザイン戦略誌「日経デザイン」。デザインをビジネスの視点で捉えた国内唯一の総合デザイン戦略情報誌です。年12回刊行の月刊誌。
日経というだけあってビジネス思考でデザインを考える内容。デザインとビジネスの関係、売れるデザインの秘密、といったビジネス寄りの記事が盛りだくさんで、ビジネス思考がより鍛えられるデザイン雑誌です。
ひとつ難点を挙げるとすると、定期購読でしか購入できないという点。そこさえクリアできるならデザイナーはもちろん、マーケティングに関わる仕事の人にもおすすめの雑誌です。
AD SELECT MONTHLY(月刊アドセレクト)
株式会社リブラ出版が刊行している月刊デザイン誌「AD SELECT MONTHLY」(月刊アドセレクト)。
アドセレクトはこれまでの雑誌と少し違って、最新の広告デザインを紹介しているデザイン集。毎号「企業広告・ロゴ」「会社案内・学校案内」「商品カタログ」などを特集していて、その事例がただひたすらに掲載されています。
ほかのデザイン雑誌のような読み物というよりは広告作品の事例集。ただ作品数がかなり多いのでめちゃめちゃ参考になります。デザイン会社で定期購読している会社は多いんじゃないでしょうか。
最近の事例がとにかくたくさん載っているのでサッと目を通すだけで広告の現状・トレンドをチェックできます。
まとめ
おすすめのデザイン系雑誌をザザッとご紹介しました。昔はもっと種類があったんですが時代とともに減ってきています。「デザインの現場」とか「広告批評」とか「STUDIO VOICE」とか好きだったんですけどね。残念です。
深くデザインを学ぶなら雑誌はまだまだ有効な媒体だと思います。今だったら電子書籍もありますからね。便利な時代ですよ。
情報収集はネットオンリーという人も、たまには雑誌をチェックすると新たな発見があるのでおすすめですよ。
では、良きデザインライフを!