デザイナーなら知っておきたい!パンフレットとリーフレットの違いと使い分け

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どうも。グラフィックデザイナーのケンスです。

グラフィックデザイン制作の案件でよくある「パンフレット」「リーフレット」。語感的には似ている2つのことばですが、それぞれの違いについてご存知でしょうか?

デザイナーや印刷関係で働いていれば知っていて当然ですが、意外と明確な違いを答えられない人もいるかと思います。実際、なんとなく違うのは分かるけど……どう違うのか?という声を聞いたことありますし。

そこで今回は「パンフレット」と「リーフレット」の違いについてご紹介したいと思います。

パンフレットとは

パンフレット」は案内・説明・宣伝広告などに用いられる仮綴じの薄い冊子のこと。略して「パンフ」とも呼ばれます。

パンフレット(pamphlet)は製本されていない、つまり装丁がされたりハードカバーがつけられていない冊子のことである。

引用:パンフレット – Wikipedia

複数の紙を合わせてページを作りホッチキスなどで綴じたもので、各ページに文章や写真・イラスト、図などが盛り込まれています。

主な用途は企業の会社案内や製品・サービスの案内など。大学や専門学校などで受け取る学校案内や映画館やコンサート会場で販売される小冊子などもパンフレットになります。

ちなみにユネスコ(UNESCO)によるパンフレットの定義では「定期刊行物以外で、表紙を除き5ページから48ページまでの印刷物」となっていて、それ以上は「書籍」になります。

ざっくり言うと複数ページになる印刷物を簡単に綴じたもの、というイメージですね。

リーフレットとは

「リーフレット」は案内・説明・宣伝広告などに用いられる一枚刷りの印刷物のこと。略して「リーフ」とも呼ばれることも。

リーフレット(leaflet)は、宣伝・広告・案内・説明などのために、1枚の紙に刷られた印刷物である。

引用:リーフレット – Wikipedia

一般的には両面に印刷された1枚の紙を複数回折りたたんでいるものを指します。例えばA3サイズの紙を横向きにして、真ん中で二つ折りするとA4サイズ・4ページのリーフレットになります。他にも三つ折りや観音折りなどの折り方で作られているものもあります。

パンフレットと同じく、文章や写真・イラスト、図などが盛り込まれていて情報を宣伝・案内する手段に使われます。主な用途はテーマパークの案内や商業施設のフロアマップ、製品・サービスの簡単な紹介などですね。

ざっくり言うと1枚もので折りが入っている印刷物、というイメージ。ちなみに折りが入っていない1枚ものの印刷物は「チラシ」「フライヤー」と呼ばれ区別されます。

パンフレットとリーフレットの違い

パンフレットとリーフレットの一番大きな違いは使われている紙の枚数です。パンフレットは複数枚の紙を綴じているもの、リーフレットは1枚の紙を二つ折りや三つ折りにしたもの、という違いがあります。

紙の枚数が違うということはつまりページ数が違うということ。リーフレットは二つ折りだと4ページですが、パンフレットは8ページや16ページなど、より多くのページ数を割くことができます。

ページ数が違うと当然掲載できる情報量も違ってきます。パンフレットはページ数を増やすことで情報量を増やすことができますが、リーフレットは1枚ものなので折り方を変えてページ数を増やしても、紙のサイズを大きくしないかぎり全体の情報量は変わりません。

ここまで比べてみるとページ数も多く、情報量も多いパンフレットの方がいいこと尽くめのように思いますが、ページ数が多いということはそれだけ制作のコストも時間もかかるということ。またデザイン費用もページ分だけかかりますので制作費でみるとリーフレットの方がコストがかからないという利点があります。

また受け取る側からするとパンフレットよりもリーフレットの方がコンパクトで軽いので、外出先でもカバンに入れやすいと言えるでしょう。またポストにも入りやすいサイズなのでポスティングもしやすいというメリットもあります。

パンフレットリーフレット
紙の枚数複数枚1枚
ページ数多い少ない
情報量多い少ない
コスト高い低い
携帯性低い高い

パンフレット・リーフレットの選び方

それぞれ違いがあるパンフレットとリーフレットですが、実際に作るとなったらどちらを選べばいいのでしょうか?

なんとなくページ数もあるしパンフレットかな……とかそんなに載せる情報もないしリーフレットで……とかサラッと決めるのはよくありません。それぞれの用途・利点を意識して選ぶべきです。

ということでこの2つのどちらを選べばいいか、デザイナー目線でポイントをご紹介します。

リーフレットを選ぶポイント

  • コンパクトにしたい
  • 持ち運んで使いたい
  • 予算がそんなにない

リーフレットは1枚の紙で作るので情報を掲載するスペースは限られますが、コンパクトに仕上げることができます。例えばA4横を3つ折りにしたリーフレットの場合、かなりスリムなので設置するのに広いスペースを必要としません。これは大きなメリット。

またコンパクトなので持ち運びがしやすい。パンフレットを要約した縮小版として常に持っておいて、出会ったお客さんにすぐに渡す、といったことができます。とてもフットワークが良い広告媒体だと言えます。

また予算の兼ね合いもあると思いますが、パンフレットに比べるとリーフレットの方がコストパフォーマンスがいいです。低予算でも作ることができるのも利点ですね。

パンフレットを選ぶポイント

  • 多くの情報を掲載したい
  • ビジュアルを大きく見せたい
  • 会社の規模や信用度をアピールしたい

パンフレットはリーフレットに比べてページ数が多いので、より多くの情報を掲載することができます。これは圧倒的なメリット。多くの情報をページごとに整理して掲載できるので、わかりやすく情報を伝えることができます。

例えば営業トークが苦手な人でもパンフレットがあれば、代わりに情報を伝えてくれる優秀な営業マンとして手助けしてくれるでしょう。

また写真やイラストなどビジュアルを大きく見せたいときにもパンフレットは有利です。見開きで1つのビジュアルを使えば大きく見せることができるので、インパクトのある表現を作ることができます。

あとはパンフレットはより「ちゃんとした感」が出ると思います。1枚の紙を折っただけのリーフレットよりもパンフレットの方が印刷物としてボリュームがあるので、会社の規模や信頼度をアピールしたい場合にはいい選択になると思います。

まとめ

パンフレットとリーフレットの違いについてご紹介しました。よく似た響きの2つの媒体ですが、それぞれ違った特徴があることがわかっていただけたかと思います。

パンフレットのようにページ数が多ければいいというわけではありません。目的に適した使い分けが重要なポイントです。

デザイナー的にはクライアントの要望を見極め、どちらが最適な媒体かを常に提案できるようにいるべきです。

「パンフレットを作りたい」という要望でも、場合によっては「今回はリーフレットの方が適切なのでこちらにしましょう!」と提案できるデザイナーでいたいですね。

では良きデザインライフを!

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